正しい謝罪の仕方

矢野くんが、ある日マンションでのペンキ塗替え時にペンキミストを車に付着させてしまいました。飛散事故発生!

さて、こんな時、どう対処したらよいのでしょうか?ペンキミストの専門家 ミスト先生に尋ねてみましょう。

塗装屋 矢野くん

ミスト先生。やっちゃいました

ミスト先生

矢野くんどうしたの暗い顔して。

塗装屋 矢野くん

実は今日現場で仕事していたら、近所の人から車がザラザラになってるんだけど、おたくの工事が原因じゃないかって言われちゃったらしいんですよ、その時僕はいなかったのですが。

ミスト先生

そりゃ、大変だ。それで本当に矢野くんの現場のペンキなの?

塗装屋 矢野くん

そうなんですよ、車の場所とペンキの色からしてどうやらウチの現場の塗料みたいなんです。

ミスト先生

もう謝罪には行ったのかい

塗装屋 矢野くん

それがまだなんです。気が重くて・・・

ミスト先生

いかん、いかん。謝罪はタイミングが大事、そしてタイミングは早くが鉄則だよ。

謝罪とは

謝罪とは辞書によれば、”罪を認めそれを表明すること” と書かれています。つまり謝罪の第一歩は自分の非を認めることなのです。自分の非を認めずに言葉だけの謝罪では相手の心に届かないばかりか火に油を注ぐ事になりかねません。
基本的にペンキミストを飛散させてしまった場合ペンキミストの付着した車のオーナーは不快感を感じています。そういった場合最初の謝罪がその後の交渉の成否に係る場合が多いので恐れることはありませんが慎重にことを進めましょう。

対応さえ間違わなければ多くのユーザーは大きな問題になることは少ないのです。お客様のクレームが大きな問題となった、という時は殆どがクレーム対応する側に問題があったと言われています。
クレームの対応次第で普段とても良い人をクレーマーにしてしまうことだってあるということを忘れないようにしてください。

ペンキミストの付着した車のオーナーは不快感を感じています。そういった場合最初の謝罪がその後の交渉の成否に係る場合が多いので恐れることはありませんが慎重にことを進めましょう。
対応さえ間違わなければ多くのユーザーは大きな問題になることは少ないのです。お客様のクレームが大きな問題となった、という時は殆どがクレーム対応する側に問題があったと言われています。

クレームの対応次第で普段とても良い人をクレーマーにしてしまうことだってあるということを忘れないようにしてください。

塗装屋 矢野くん

わかりました、じゃあこれから行ってきます!

ミスト先生

ちょっと待った。その格好で行くつもりかい。

塗装屋 矢野くん

はい、現場からの直行ですから仕方がないかと

ミスト先生

それはそうだが、最低限の身だしなみは整えるべきだよ。 まずは服装、作業着でもよいが薄汚れたものはだめ、そしてひげや髪形なども整えてから謝罪に向かうこと。だらしない印象を与えてはだめです。最初の印象が悪いと信頼してもらうのに時間がかかるからね。

クレーム対応も第一印象が大事

知らない人が信用できるかどうかの判断は、見た目になります。それ以外に情報がないのですから最初に与える見た目からの印象はとても大事なことです。
いくらあなたがいい人でも髪はボサボサ、服装はだらしなく、無精髭でもはやしていたら受け入れてもらえないのは誰でも分かることですね。クレーム対応で、なんだこいつきちっとしたいなりしやがって、なんて言われることは少ないでしょう。
もしきちっとした身なりで訪問して悪い印象を持たれたとすれば、それは服装等ではなく、態度に現れてしまったということです。

塗装屋 矢野くん

さあ、身なりも整えたし、仕方ないから行ってきます。はぁ~なんだか面倒くさいな~俺のせいじゃないのに・・・

ミスト先生

矢野くん、慇懃(いんぎん)無礼と言う言葉を知っているかい。身なりや言葉遣いは丁寧でも見下したような失礼な態度を取る事を言うんだが、つまり形だけ整えても誠意を欠いてはいけないということなんだよ。

塗装屋 矢野くん

あっ、思い出したぞ。先日彼女と入ったレストランが思っていたより高級なお店で、店員の態度がまさしく慇懃(いんぎん)無礼でした。そうか態度も大事なんだな。態度で気をつけるポイントって有るんですか。

ミスト先生

今回のような謝罪に行く場合はまずは誠意を持って接すること。この場合の誠意とは相手の気持を理解すると言っておこうか。

誠意を表す態度とは

第一に、心から謝罪をする気持ちを持つこと、取り繕った謝罪はすぐに見抜かれます。
その上で、まずは表情。顔の表情は言葉以外の、いえ言葉以上にこちらの気持ちを表すものです。
不満を持っている人に対して、妙に冷静だったり無表情だったりヘラヘラしていては、相手は自分の怒りが伝わっていないと感じて火に油を注ぐ結果となってしまいます。

次に意識するポイントは目線。目線は相手を睨みつけるのではなく、目線をあまり動かさず相手の目を中心に顔を見るようにしましょう。
そして若干顎を引き気味にして相手を見下さない、今回のような謝罪に行く場合はまずは誠意を持って接すること。この場合の誠意とは相手の気持を理解すると言っておこうか。
見上げないような位置で話をするのが良いでしょう。

塗装屋 矢野くん

よーし、服装や態度についてはわかったぞ。次は何を話して説得するか考えよう。何から話せばいいんですかね。

ミスト先生

そうだね、今回の場合必ずしも相手が怒っているとは限らないので、誠意を持って接すれば、あとは状況を説明して今後の段取りを相手の都合に合わせるように話を進めれば問題無いだろうね。

塗装屋 矢野くん

怒っている人こそちゃんと説明しないといけないんじゃないんですか?

ミスト先生

それはそうだが、相手が怒っているなと感じたらまずは相手の主張をよく聞くこと。これが一番大事なんだよ。

怒っている相手はLEAD法

LEAD法とは謝罪しなければならない問題が起きた場合に

  1. LISTEN まず相手の話を聞く
  2. EXPLORE 問題点を掘り下げ明確にする
  3. ANALYZE 今後どうすべきか検討する
  4. DO できることを即実行する

という4つのプロセスのことを言います。各プロセスでの注意点は

まず相手の話を聞く

この場合当然のことですが、適当に聞かない、相手を否定しない、話の腰を折らない。簡単に言えば誠意を持って聞くということです。

メモをとったりすると、ちゃんと聞いているなという印象を与える上に下手なことは言えないと相手も少し冷静になるという効果もあります。そして、「でも」と言う相手を否定する言葉は控えましょう。また「でも」と言う言葉が出るときは話の腰を折っている場合が多いので注意が必要です。

問題点を掘り下げ明確にする これは相手が起こっていると感情的になって自分が一体何に対して起こっているかわからなくなってしまうことがあります。そこを冷静に相手自身に何に対して不満を持っているのかを発見させるようにします。案外怒っているのは、連絡が遅いことだったり、本来のクレームとは違うところに来ている場合もよくあることです。ここではあくまで聞き役に徹して相手が自分でそのポイントに気づくように仕向けます。ここを間違えると次の問題解決がピント外れになってしまいます。

問題解決のためにできることは何か

大体の問題が見えてきたら相手が望んでいるものは何か、それが自分で提供できるものなのかを分析します。ここで注意することは相手が感情的問題を行っているのか、物理的問題を行っているのかを明確にしなくてはなりません。そのためにも前項の問題点を掘り下げ明確にすると言う工程が大事になってきます。

問題解決に向けて実践

ここまでに妥当なラインが見つかればあとはそれを実践するのみです。ここで大事なことは出来ること、出来ないことをはっきりさせ、出来ないことをやるとは言わないことです。どうしてもその場を納めるために出来ないことまでやると言ってしまい、ことを大きくしてしまうことが無いように気を付けなくてはなりません。

どうしても無理な要求をしてくる場合は一旦持ち帰り上司と相談すると言って、安易にその場でOKしないことです。

塗装屋 矢野くん

なんだか難しい話になってきたなぁ。自分が行って大丈夫なんだろうか。心配になってきた。

ミスト先生

うーん、どうやらいらぬ心配をさせてしまったようだね。今回の場合はまずは自分たちの非を認め、誠意を持って接し、約束を守ればほぼうまくいくから安心しなさい。

塗装屋 矢野くん

わかりました。ところで謝罪に行くときは手土産は持っていったほうが良いのでしょうか。

ミスト先生

うーん、それは微妙な問題だね。あるアンケートによると、事の大きさにもよるが半数以上の人は必ずしも手土産は重要ではないと考えているようだね。逆に半数近い人が手土産はあったほうが良いと言っている。お金もかかることだからよく上司の人と相談したほうが良いだろうね。

塗装屋 矢野くん

わかりました!それでは行く前に上司に相談して謝罪に行ってきます。なんだかうまくいく気がしてきました。ありがとうございます。